いきなりですが、みなさんは「からし焼き」という食べものをご存知でしょうか。
東京都北区の西部に位置する十条で地元民に長年親しまれているソウルフードらしいです。
いったいどんな味なのか気になり、その「からし焼き」を名物とする定食屋「味の大番」に行ってきました。
JR埼京線、十条駅北口から徒歩約3分。
駅から近く、黄色のひさしが目立つのですぐに発見できました。
暖簾をくぐると高齢のご夫婦と娘さんらしき方が元気良く迎え入れてくださり、家族経営らしいアットホームな雰囲気。
外観からは少々年季を感じましたが、店内は改装されたばかりなのかとてもきれいでした。
全7席のL字カウンターは、となりとの間隔を広めに取られていて安心感もあります。
厨房上の黒板メニューには、20種類以上の定食や一品料理がずらりと並んでいます。
私はほとんどの客が注文するという名物、からし焼定食(850円)をオーダー。
注文から約10分後で到着。
ごはん、みそ汁、漬物、からし焼がトレイにのってまとめて運ばれてきます。
ごはんは少し固めで、みそ汁はあっさり軽い口当たり。
からし焼は、想像とはまったく違うものでした。
なんと焼いたり炒めたりした料理ではなく、実際はつゆだくに盛られた煮込み料理。
まるでもつ煮込みや麻婆豆腐のようなルックスです。
豚バラ肉と豆腐の上にはキュウリとネギがたっぷりトッピングされていて、かなり重量感があります。
初めて見る食べ物にドキドキしながら、いざ実食。
醤油ベースのタレは甘さのあとに唐辛子のような辛さがあり、ニンニクの味と香りも強烈。
見た目通り味がしっかり濃いので、ごはんがどんどん進みます。
一見ボリューミーに感じましたが、豆腐がメインに使われているので案外ヘルシーそう。
カロリーを気にせずパクパク食べられてしまう美味しさです。
食べ進めると中から現れたのは、煮汁にまみれた大粒のニンニク。
強烈なニンニク感の正体はこれだったんですね……。
ひと粒まるごと入れるという斬新なアイデアに圧倒されつつ、食後に待ち受けるニンニク臭を静かに覚悟しました。
茶碗いっぱいに盛られたごはんも、気づけばあっという間に完食してしまうほど美味でした。
そもそもからし焼き発祥の地は、東十条にある「とん八」という店らしく、豚肉を唐辛子などで炒めたまかない料理から名付けられたそう。
改良に改良を重ねて現在のものになったそうですが、看板メニューがまかない飯から誕生したとは驚きです。
近々、元祖の味も確かめに行きたいですね。
12時近くになると客の出入りが増えてきて、気がついたら満席に。
店の前に列ができるほどではないですが、常に客の入れ替わりがありました。
待たずにランチしたい方は、開店30分以内の入店がおすすめです。
味の大番(あじのおおばん)
住所:東京都北区上十条2-11-10
営業時間:11:00〜14:30 17:00〜20:00
定休日:毎週水曜日・第三木曜日
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